唾液は「出て当たり前のもの」と思われがちですが、加齢やストレスなど色々な原因で出にくくなることがあります。
唾液は非常に重要な働きをしており、唾液が出ないと様々な不快症状が出てくるだけでなく、お口や体の健康まで損なわれてしまうことになります。唾液腺マッサージはそんな時に気軽に行える治療法の一つです。
ここでは唾液腺マッサージについてご紹介していきます。
お口の中の唾液が減り、乾いてしまう状態をドライマウスと言います。ドライマウスは加齢で起こることが多いですが、ストレス、薬の副作用、食生活の乱れなどによっても起こり、若い年齢層の人にも増えていると言われています。
ドライマウスはただ口が乾くというだけではなく、様々な弊害をもたらします。それゆえ、積極的に唾液を出すことが必要となってくるのです。唾液が出てこなくなると次のような弊害を起こしてきます。
唾液の殺菌作用、虫歯菌が作った酸を中和する作用、初期虫歯を修復する作用、というようなものが発揮されなくなるため、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
唾液の殺菌作用がうまく働かなくなるため、口の中の悪い細菌が増えて、口臭がひどくなります。
唾液の粘膜保護作用が失われるため、粘膜が傷つきやすくなって痛んだり、口内炎などができやすくなります。
お口が乾くと噛み砕いたものがうまく飲み込みづらくなります。
唾液の殺菌作用、免疫作用がうまく働かず、感染症にもかかりやすくなります。
唾液がないと、味成分が唾液に溶け込まないため、味覚を感じる細胞が味を感じにくくなります。
唾液腺マッサージは、いつでも気軽に行うことができます。簡単にできますので、ぜひ試してみてください。マッサージは軽い力でやさしく行なってください。
人指し指から小指までの4本の指を頬に当て、上の奥歯周辺を後ろから前方向に回しましょう。(10回)
親指を下顎の下内側のやわらかい部分に当て、耳の下あたりから顎の中央部にかけて、5箇所くらいを押しましょう。(各5回)
両手の親指を揃え、下顎の真ん中から舌を突き上げるような感じでグーッと押してみましょう。(10回)
ガムとは英語で「歯茎」のこと。ガムマッサージは、歯茎を中心とするお口の内部をマッサージすることで、口内の健康増進、リラックス効果が得られると言われています。
歯茎にはたくさんのツボがあります。特に歯茎と唇の境目には全身につながるツボがあり、マッサージをすることで、頭部や首、肩、体全身のリラックス効果が得られます。
お口の粘膜には数多くの小唾液腺があります。マッサージで粘膜を刺激することにより、唾液の分泌が促進され、虫歯・歯周病・口臭予防効果が高まります。
歯茎は毛細血管が豊富で、リンパ菅も密集しています。血液やリンパの流れが滞ると、歯周病が悪化しがちです。歯茎をマッサージすることで、血流、リンパの流れが良くなり、歯茎の健康改善が期待できます。また、入れ歯を入れている方は、入れ歯を支えている歯茎が楽になり、痛みが出にくくなります。
池田会のイースト21デンタルオフィス 歯科衛生士 小林が「歯の磨き方をプロが伝授」で出演いたしました。