歯を失うよりも怖い、歯周病、歯槽膿漏の本当の恐ろしさとは
歯周病はかつて歯槽膿漏とも言われていた病気で、歯を失う最大の原因となっているものです。歯を失う病気ということで、それだけでもできるだけかかりたくない恐ろしい病気ではありますが、実は歯周病というのが、歯を失うだけでなく、体の色々な病気の原因になっていることが近年になってどんどんわかってきました。
歯周病の恐ろしさとはどのようなものなのか、見ていきましょう。
歯周病が恐ろしい理由
◆歯を次々に失ってしまう
歯周病は、歯周病菌が原因となって引き起こす病気であり、歯の周囲の組織を破壊してしまう、というものです。歯を失う別の大きな原因である虫歯と大きく違うところは、虫歯は歯がやられてしまうというところ、そして、虫歯が虫歯菌にやられた歯のみを悪くしてしまうので1本単位で歯を失うのに対し、歯周病は、広い範囲で骨を破壊するため、複数の歯が巻き込まれやすい、というところです。そのため、そう言った意味では歯周病の方が虫歯よりも怖いと言えます。
◆命に関わる病気と大きく関連している
歯周病は、ほんのひと昔前までは、単に歯を失う病気としてしか認識されていませんでした。ですが、だんだんと、全身のさまざまな重大な病気との関連が明らかになってきました。
お口の中の歯周病菌が、血管や呼吸器、消化器を通じて体の至るところに回ってしまい、あちこちで悪さをすることがわかってきたのです。
歯周病が関連している病気として現在でわかっているものとして、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞、動脈硬化、糖尿病、誤嚥性肺炎、アルツハイマー型認知症、妊婦における低体重児出産、早産などがあり、最近では腸内細菌との関わりもあることがわかってきています。
歯周病にどう対処するか
以上のように、歯周病というのはさまざまな恐ろしい状態を引き起こす引き金となるものです。
歯周病は現在日本人の成人の8割がかかっていると言われている、誰にとっても他人事ではない病気です。ですが、それは成人になったからかかるもの、というわけではなく、対策方法を知って実践することで、予防、もしくは進行を止めることは可能です。
歯周病は恐ろしい病気ではありますが、毎日のお口のケアを丁寧に行うこと、歯科医院での定期的なクリーニングを行うこと、また、細菌の餌となる糖質を摂りすぎない、免疫を落とさないように生活習慣を整える、といったことで予防が可能です。健康な毎日を送るためにも、ぜひ、参考にしてみてください。