歯茎の出血、何が原因?
歯茎から出血するという症状は特に珍しいものではなく、おそらく全ての人が経験する、ありふれたものです。歯茎が出血する場合、中には特に問題にならないケースもありますが、場合によっては根本的な治療が必要になったり、全身的な病気を示唆していたりすることもあるため、注意が必要となります。
今回は歯茎の出血の原因についてご紹介します。
歯茎の出血の原因
歯周病
歯茎から出血する場合の大半は歯周病が原因です。歯周病には、若年者に多い歯肉炎と、中年以降に見られる歯周炎がありますが、そのいずれの場合でも、初期症状は歯茎の出血という症状から現れます。
女性の場合、女性ホルモンの変化によっても 歯茎に炎症を起こしやすくなり、歯茎から出血を起こしやすくなります。特に、妊娠中には、多くの女性が歯茎の炎症により歯茎から出血を起こしやすい傾向があります。
歯ブラシによる傷
歯茎に炎症がなくても、歯ブラシを力任せにゴシゴシやってしまったり、硬い歯ブラシを使っていたりすると、歯茎が傷つき出血することがあります。
薬の副作用の影響
血の流れをよくする薬を飲んでいる方は、歯茎の出血が起こりやすく、また、止まりにくい傾向があります。
全身疾患
血液の病気(白血病や血友病、血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血など)、ネフローゼ症候群などのような全身疾患がある場合、歯茎からの出血が起こりやすくなります。ただし、このような病気がある場合には、歯茎に限らず、全身にあざができやすい、鼻血が出やすい、といった症状も現れます。
ビタミン不足
ビタミンC、D、Kが欠乏すると出血が起こりやすくなります。
歯茎の出血が続く場合には歯科医院を受診しましょう
歯茎の出血のほとんどの原因は、歯の周囲に溜まった歯垢や歯石です。歯茎の出血が見られる場合、まずはその部分の歯磨きを丁寧に、力を入れずに優しく行ってみましょう。それで2、3日で落ち着くようであれば特に問題はないと考えられます。
ですが、それ以上たっても出血がおさまらない、歯茎が腫れて痛い、出血の量が多い、なかなか血が止まらない、というような場合には、歯周病の状態が進行している、もしくは他の要因も考えられますので、一度歯科を受診してみましょう。
このような状態を放置してしまうと、歯周病が進行して歯を失うことになってしまう、もしくは全身的な疾患が関係している場合には、命を落としてしまうことにもなりかねません。
そのため、歯茎の出血は甘く見ず、大事な異常なサインと捉えて慎重に対処していくことをおすすめします。