育毛剤と発毛剤の違いは?使い分けや併用の効果・副作用と使わない方がいいと言われる理由

育毛剤と発毛剤の違いは?使い分けや併用の効果・副作用と使わない方がいいと言われる理由

育毛剤と発毛剤はどちらも薄毛対策として使用されていますが、目的や効果が大きく異なります。発毛剤は髪が抜け落ちた頭皮に新しい髪を生やす効果があり、ミノキシジルという成分が配合されています。

一方、育毛剤は今ある髪を太く長く育てやすい環境を整え、抜け毛を防ぐ効果があります。自分の薄毛の状態に合わせて適切に選ぶことが、効果的なケアへの第一歩となります。

目次

育毛剤と発毛剤の違いは?目的と効果をわかりやすく解説

育毛剤と発毛剤の違いは?目的と効果をわかりやすく解説

育毛剤と発毛剤の最大の違いは、その目的にあります。簡単に言えば、「育毛=髪を守る」「発毛=髪を生やす」という根本的な違いがあります。

以下の表で、両者の違いを詳しく比較してみましょう。

項目育毛剤発毛剤
分類医薬部外品医薬品(第1類)
主な目的抜け毛を防ぐ・髪を守る新しい髪を生やす・薄毛を改善する
主な成分センブリエキス、アデノシンなどミノキシジル
作用の仕組み血行促進・頭皮環境の改善毛母細胞を刺激して発毛を促す
効果の範囲抜け毛予防・毛を太くする発毛促進・薄毛の進行抑制
副作用リスク低い(肌のかゆみなど軽度)稀に動悸・むくみ・頭皮の炎症など
購入方法ドラッグストア・通販で購入可医師・薬剤師の説明が必要
おすすめの人初期の抜け毛・予防目的の人髪が減ってきた・進行している人

育毛剤の目的と効果

育毛剤は頭皮環境を整えて、すでに生えている髪のコシやハリを維持することを目的としています。

血行促進成分や保湿成分が配合されており、頭皮を健やかに保つことで抜け毛を予防します。

育毛剤の主な効果としては、頭皮の血流を改善して毛根に栄養を届けやすくすることや、フケやかゆみといった頭皮トラブルを抑制することが挙げられます。育毛剤は頭皮の血行促進や保湿などで頭皮環境を整える働きをするため、作用が穏やかなものが多いという特徴があります。

男女問わず使用できる製品が多く、薄毛予防や頭皮ケアを目的とした日常的なケアアイテムとして位置づけられています。

発毛剤の目的と効果

発毛剤は毛母細胞を活性化させて髪の毛の生成を促し、薄毛を改善する効果が期待できる医薬品です。

日本で唯一発毛効果が認められている成分であるミノキシジルが配合されています。

ミノキシジルは毛包を活性化させる効果で新しい毛を増やし、血行を促進させて細胞に栄養を行き渡らせ、発毛を促進します。AGAなどの進行性の薄毛に対して有効で、すでに薄毛が目立つ状態の人に適しています。

ただし、医薬品であるため副作用のリスクもあり、使用には注意が必要です。特に心臓病や高血圧の既往がある人は、医師への相談が必須となります。

医薬品と医薬部外品の違い

発毛剤と育毛剤の分類の違いを理解することも重要です。

項目医薬部外品(育毛剤)医薬品(発毛剤)
目的健康の維持や「予防」「サポート」病気や症状を「治す」「改善する」
効果の強さ穏やか
(緩やかに作用)
高い
(科学的に効果が認められている)
有効成分の濃度比較的低い・肌に優しい高い・厳しく管理されている
使用時の注意自分の判断で使用可能医師や薬剤師の説明が必要

医薬品である発毛剤は病気の診断、治療または予防を目的としており、医師や薬剤師などの専門家のもとで使用することが求められています。一方、育毛剤は医薬部外品として、より安全性を重視した設計となっています。

発毛・育毛のメカニズムと毛周期の関係

髪の毛には「成長期→退行期→休止期」という毛周期があります。育毛剤は成長期の髪を健康に保ち、毛の寿命を延ばすことで抜け毛を防ぎます。一方、発毛剤は休止期の毛包を刺激して新しい髪の成長を促進します。

このメカニズムの違いにより、育毛剤は「今ある髪を守る」、発毛剤は「新しい髪を増やす」という異なる役割を果たすのです。

育毛剤と発毛剤どっちを使うべき?頭皮の状態別に使い分ける方法

育毛剤と発毛剤どっちを使うべき?頭皮の状態別に使い分ける方法

自分の薄毛の状態を正しく把握することが、育毛剤と発毛剤を適切に使い分けるポイントです。

以下で症状別の選び方を詳しく解説します。

軽度の抜け毛・予防には育毛剤

髪のボリュームが少し気になり始めた程度の軽度な症状や将来の薄毛を予防したい場合は育毛剤が適しています。

毛髪のボリューム低下、毛髪の太さや強さが弱いということが気になる方は、育毛剤がおすすめです。特に以下のような状況の人に向いています。

育毛剤がおすすめな人
  • 最近抜け毛が増えたような気がする
  • 髪が細くなってきた
  • 頭皮のフケやかゆみが気になる
  • ストレスや生活習慣の乱れが原因と思われる

育毛剤は頭皮ケア、食事改善、睡眠習慣の見直しなどと併せて使用することで、より効果的な予防ケアが期待できます。

明確な薄毛・生え際の後退には発毛剤

薄毛で頭皮が目立つ方、シャンプーや朝起きた時など脱毛が次第に多くなってきた方には発毛剤が推奨されます。

具体的には以下のような症状がある場合です。

発毛剤がおすすめな人
  • 頭皮が透けて見える
  • 生え際が明らかに後退している
  • 頭頂部の薄毛が目立つ
  • AGAと診断された、またはその可能性が高い

これらの症状は男性型脱毛症(AGA)の可能性が高く、ミノキシジルによる治療効果が期待できます。ただし、医師の診断を受けることで、より適切な治療法を選択できるでしょう。

発毛剤の効果は、一般的には使用を開始してから3〜6カ月後からあらわれるとされています。育毛剤の場合は、半年から1年程度の継続使用が目安となります。

短期間で使用をやめてしまうと効果が得られないため、根気よく継続することが重要です。頻繁に使用したからといって効果が上がるものではないため、指定の用法・用量をきちんと守って使用することが大切です。

育毛剤・発毛剤の副作用と「使わない方がいい」と言われる理由

育毛剤・発毛剤の副作用と「使わない方がいい」と言われる理由

薬である以上、副作用のリスクはゼロではありません。正しく理解して、安全に使用することが大切です。

発毛剤の副作用(ミノキシジル)

発毛剤に含まれるミノキシジルの副作用について、以下の表にまとめました。

項目詳細
主な原因有効成分ミノキシジルの血管拡張作用や刺激成分
よくある症状頭皮のかゆみ、赤み、炎症
フケ、むくみ、動悸、めまい
重症化の可能性まれに全身の血流に影響
(動悸・血圧変動など)
発生頻度低いが、個人差あり
(体質や使用量で変動)
対処法使用を中止し、医師に相談
症状が治まるまで再使用しない
予防のポイント使用量を守り頭皮に異常があれば早めに医師へ

発毛剤に共通する副作用としては、使用例の約10%程度で皮膚の炎症が起きて、頭皮のかゆみ、かぶれ、発赤があります。また、ミノキシジルは降圧薬として開発された経緯があるため、高血圧がある方は注意が必要です。

育毛剤の副作用

育毛剤は医薬部外品のため、発毛剤と比べて副作用のリスクは低いですが、以下のような症状が現れることがあります。

項目詳細
主な原因アルコール・メントール・香料などの刺激成分
よくある症状かゆみ、乾燥、ヒリつき
かぶれ、赤み
重症化の可能性ほとんどなし
(皮膚トラブル程度)
発生頻度非常に低い
(敏感肌・乾燥肌に注意)
対処法刺激を感じたら一時中断し、低刺激タイプへ変更
予防のポイント使用前にパッチテストを行うと安心

敏感肌や乾燥しがちな方がアルコール濃度の高い育毛剤を使用すると、さらに頭皮の乾燥を招く可能性があります。自分の肌質に合った製品を選ぶことが重要です。

使わない方がいいと言われるケース

以下のような場合は、育毛剤や発毛剤の使用を控えるか、医師に相談する必要があります。

育毛剤や発毛剤が使わない方がいいと言われる理由
  • 頭皮に傷、湿疹、炎症がある
  • アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある
  • 心臓病、高血圧、甲状腺機能障害の既往がある
  • 妊娠中・授乳中の女性
  • 過去に薬でアレルギー反応を起こしたことがある
  • 現在他の治療薬を服用している

これらの条件に当てはまる場合でも、「絶対に使えない」というわけではありません。医師に相談することで、安全に使用できる方法が見つかる場合もあります。

使用を中止すべきタイミング

副作用が現れたらすぐに使用を中止しましょう。使い続けると頭皮環境が著しく悪くなり、髪が抜けてしまう恐れがあります。

以下の症状が現れた場合は、即座に使用を中止し、医師に相談してください。

使用を中止すべきタイミング
  • 頭皮の激しいかゆみや痛み
  • 発疹、発赤の広がり
  • 動悸、胸の痛み
  • めまい、気分不良
  • 手足のむくみ
  • 原因不明の体重増加

育毛剤や発毛剤以外でできる薄毛対策

育毛剤や発毛剤以外でできる薄毛対策
育毛剤や発毛剤以外でできる薄毛対策
  • 生活習慣・食事の見直し
  • 頭皮環境を整えるケア
  • 専門クリニックで相談する

生活習慣・食事の見直し

髪の健康には適切な栄養が不可欠です。以下の栄養素を意識的に摂取しましょう。

栄養素主な働き・髪への効果含まれる食品例
タンパク質
(ケラチン)
髪の主成分
髪のハリ・コシを保ち抜け毛予防に重要
肉類、魚、大豆製品、卵
ビタミンB群
(B2・B6・B7=ビオチン)
代謝を促し頭皮や毛根の細胞を活性化
健康な髪の生成を助ける
卵、ナッツ、レバー、バナナ
亜鉛ケラチン生成を促進し抜け毛を防ぐ
男性の薄毛対策に特に重要
牡蠣、牛肉、ナッツ類
鉄分髪や頭皮への酸素供給をサポート
貧血による抜け毛を防ぐ
レバー、ほうれん草、赤身肉
ビタミンE血行を促進して毛根への栄養を届ける
抗酸化作用で老化予防
アーモンド、かぼちゃ、アボカド
ビタミンCコラーゲン生成を助け毛細血管を丈夫に保つ
亜鉛の吸収も促す
柑橘類、ブロッコリー、いちご

また、十分な睡眠(7~8時間)とストレス管理も重要です。規則正しい生活リズムを保つことで、ホルモンバランスが整い、髪の成長をサポートします。

頭皮環境を整えるケア

正しい洗髪方法と頭皮マッサージで、頭皮環境を改善できます。

正しい洗髪方法

  1. ぬるま湯(38度前後)で予洗い
  2. シャンプーは手で泡立ててから頭皮へ
  3. 指の腹で優しくマッサージするように洗う
  4. すすぎは念入りに(シャンプーの2倍の時間)
  5. タオルドライは押さえるように水分を取る

頭皮マッサージのポイント

  • 1日5分程度、朝晩2回が理想的
  • 指の腹を使って円を描くように
  • 側頭部→頭頂部→後頭部の順番で
  • 強すぎない程度の心地よい圧で

専門クリニックで相談する

セルフケアで効果が出ない場合は、専門クリニックでの相談がおすすめです。AGAそのものの進行を抑えるには、フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬を併用することが効果的です。

最近はオンライン診療も充実しており、自宅にいながら専門医の診断を受けることも可能です。

初回相談は無料のクリニックも多いため、まずは相談してみるのも良いでしょう。

育毛剤や発毛剤の違いに関するよくある質問【Q&A】

育毛剤や発毛剤の違いに関するよくある質問【Q&A】
育毛剤はやめたほうがいいですか?

副作用がなく、頭皮環境の改善を実感できているなら継続して問題ありません。育毛剤の効果が出るまでには平均すると3〜6ヶ月が必要と考えられています。短期間で判断せず、最低でも3ヶ月は継続してから効果を判断しましょう。

発毛剤で本当に髪は生えますか?

ミノキシジルは日本で唯一「髪を生やす成分」の外用薬として厚生労働省に認可されており、科学的に発毛効果が確認されています。ただし、効果には個人差があり、薄毛の原因や進行度によっても結果は異なります。医師の診断を受けて、適切な治療法を選択することが重要です。

発毛剤をやめると薄毛は進行しますか?

発毛剤の使用を中止すると成長期から退行期や休止期に移行し、抜け毛が増加する可能性があります。効果を維持するためには継続使用が必要です。ただし、生活習慣の改善やストレス管理など、他の対策も併せて行うことで、薄毛の進行を遅らせることは可能です。

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この記事を書いた人

東京都江東区の西大島駅からも近い歯医者のアリオ北砂歯科クリニックはアリオ北砂ショッピングモール内3階にて土日祝日も診療しております。

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