2018年05月15日 (火) 

歯が抜けると認知症リスクが高くなる?残存歯のために知っておきたいこと

「歯が抜けると認知症の発症リスクが高くなる」と聞いて、納得できる方はそう多くないと思います。それは、歯が抜けるのは歯の病気、認知症は脳の病気と、それぞれを分けて考えているからでしょう。

しかし、歯と脳は密接に関係しているのです。
例えば、歯が痛むのは歯の神経が刺激されているからなのですが、体内のすべての神経は脳につながっています。それこそ、「歯がしみる」という現象は簡単に起きますよね。それくらい、歯は神経と接近しているのです。

そこで今回は池田歯科が、歯が抜けると認知症リスクが高くなる仕組みと、残っている歯のためにしていただきたいことを紹介します。

アルツハイマー型認知症と歯:その1「神経伝達物質アセチルコリン」

アルツハイマー型認知症と歯:その1「神経伝達物質アセチルコリン」

認知症を引き起こす原因で最も多いのが、アルツハイマー病です。アルツハイマー病で引き起こされる認知症のことを、アルツハイマー型認知症といいます。

アルツハイマー病の特効薬はまだ開発されていませんが、アルツハイマー病の進行を遅らせる薬はいくつか発売されています。
その一つに「コリンエステラーゼ阻害薬」があります。これは、脳の中のアセチルコリンという酵素の濃度を高めるために服用する薬です。

アセチルコリンは、神経伝達物質の1つです。脳が神経からさまざまな器官から情報を得て、神経を通じてさまざまな命令を器官に出すことができるのは、神経伝達物質が活発に働いているからです。

ところが、亡くなったアルツハイマー型認知症の患者の脳を調べたところ、アセチルコリンが弱っていたことが分かったのです。
そのため、アセチルコリンを元気にするコリンエステラーゼ阻害薬が、アルツハイマー型認知症の患者に使われるようになったわけです。

そんなアセチルコリンですが、歯とも深い関係にあります。
というのも、「噛むこと」が脳の中のアセチルコリンを増やすことが分かったからです。よく「噛めば噛むほど脳が活性化する」と言いますが、これは「噛めば噛むほどアセチルコリンが増えて元気なる」ということでもあります。

つまり、歯が抜けて噛めなくなってしまうと、脳内のアセチルコリンが減って認知症の発症リスクが高まる、と考えられるということです。

アルツハイマー型認知症と歯:その2「アミロイドβ」

アルツハイマー型認知症と歯には、もう一つ因果関係があります。
広島大学が、よく噛んで食べるマウスの脳と、歯がなくて柔らかいものしか食べられないマウスの脳を調べたところ、歯がないマウスの脳にアミロイドβという蛋白が着いていることが分かりました。

アミロイドβは「脳の老人斑」ともいわれ、アルツハイマー病の人の脳に溜まっていることが分かっています。アミロイドβは、脳の神経細胞を減らし、脳の働きを低下させ、脳を萎縮させてしまうのです。

広島大学のネズミの研究が人にも当てはまれば、

よく噛んで食べる

アミロイドβが脳に溜まりにくくなる

アルツハイマー病を発症しにくくなる

認知症になりにくい

と言えるわけです。

脳血管型認知症と歯

認知症には、脳内の血管の病気によって引き起こされるタイプもあります。これを脳血管型認知症といいます。

脳内の血管の病気といっても、そのほかの体内の血管の病気と同じ順序で悪化していきます。
血管を傷つける最初の病気は、脂質異常症や糖尿病、高血圧症などです。こうした病気を放置しておくと、動脈硬化症にも進みかねません。
さらに、動脈硬化症になっても放置しておくと、血管が詰まります。足の血管が詰まると最悪、足の切断という事態になりますし、心臓の血管を詰まらせると心筋梗塞、脳の血管を詰まらせると脳梗塞になる可能性があるのです。

かつて、脳梗塞は死の病とされていましたが、いまは最新治療によって命を救うことができます。しかし脳梗塞は、後遺症が残るケースも少なくありません。
身体障害になることもありますが、身体障害を引き起こさなくても、脳内の血管は傷ついています。これが、脳血管型認知症の原因となってしまうのです。

脳血管型認知症の原因の一つである動脈硬化が、歯周病によって発症することがあり、歯周病菌が血管の細胞を刺激して、動脈硬化を引き起こすのです。

歯周病が原因で歯が抜けてしまった高齢者は、歯周病→動脈硬化→脳梗塞→後遺症→脳血管型認知症という順番で認知症に進んでしまう可能性があるということです。

認知症回避のために高齢者の残存歯はこう守ろう

認知症回避のために高齢者の残存歯はこう守ろう

認知症を回避するために、何歳になっても歯に異常が出たら治療をしましょう。
また、残っている歯を守りましょう。

「もう高齢になってあまり食べなくなったから、歯の治療はしたくない」と思わないでください。噛み合わせを改善することでも、十分、認知症予防になるのです。

入れ歯やインプラントで脳を刺激しよう

多くの歯科医が「認知症の高齢者の多くは歯の状態が悪い」と指摘しています。また、ある病院が行った調査では、入れ歯が合っていない人全員が認知症を発症していたそうです。
そのため、高齢者であっても入れ歯やインプラントで治療しましょう。

入れ歯やインプラントをすると、食べる意欲が湧きます。健康に生き続けるためには、栄養バランスが取れた食事が欠かせません。食欲さえ湧いてくれば、入れ歯やインプラントが入っているので、いくらでも食べることができるようになるでしょう。

また、ガムを噛むことも、高齢者の認知症予防には有効です。入れ歯やインプラントを入れていれば、噛む強さをアップさせるトレーニング用のガムを使うことで、歯と口を鍛えることができます。

高齢者ほど歯の治療をしましょう

歯と口の中の健康は、全身の健康に深くつながっています。しかも、高齢になればなるほど、歯の状態が全身に与える影響は強くなります。
それに加えて、歯の健康維持は認知症予防になるため、「高齢者ほど歯の治療が必要である」ともいえるのです。


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