2018年04月15日 (日) 

「よく噛む」ことが高齢者の認知症予防に繋がる

多くの歯医者の研究によって、口の中の状態と高齢者の健康が密接に関係していることが分かってきました。口の中や歯の状態を良好に保つと、お年寄りはますます元気になるのです。
こうした研究成果の1つに、「よく噛むことが高齢者の認知症を予防する」という発見があります。
認知症は脳の働きと関係しているのですが、噛むという動きが脳に良い影響を及ぼすというのです。池田歯科と一緒に詳しく見ていきましょう。

そもそも認知症とは

そもそも認知症とは

認知症は記憶や思考の能力が低下する障害で、いくつかの病気が原因となり発症します。
認知症の原因の中で最も多いのはアルツハイマー病です。アルツハイマーによって引き起こされる認知症のことを、アルツハイマー型認知症といいます。

アルツハイマー病は脳神経に異常が起きて脳が委縮することで起きます。
認知症は85歳以上の人の4人に1人が発症するとされ、ますます高齢化が進む日本ではその対策が急がれています。
しかしアルツハイマー型認知症に限らず、認知症には特効薬がなく一度発症すると元には戻りません。
そこで認知症対策では、予防をしたり進行を遅らせたりすることが大切になります。

歯がほとんどなくなると認知症を発症しやすい

愛知県で認知症ではない65歳以上の約4万4千人について4年間にわたって追跡調査したところ、次のようなことが分かりました。

●歯がほとんどなく義歯(入れ歯など)も使っていない人は、20本以上歯が残っている人に比べて認知症のリスクが2倍になる
●義歯を使っている人と20本以上歯が残っている人の認知症の発症リスクはほとんど変わらない

このことから、歯の手入れをしていない人は認知症を発症しやすいことが分かりました。
さらに、自分の歯がなくなっても、義歯を入れると認知症リスクが高くならないことも分かりました。

つまり、噛む能力が低下して脳への刺激が少なくなると認知症リスクが高まることが分かったのです。

脳と記憶のメカニズム

認知症は記憶に障害が起きる症状ですが、記憶を司どっているのは脳です。
そこで脳と記憶のメカニズムについても押さえておきましょう。

人が新しく仕入れた情報は、脳の中の海馬という場所に送られます。海馬で一時的な記憶として保存されます。
しかしその情報の内容が陳腐だったり意味やインパクトがなかったりすると、海馬の中から消えてしまいます。
一方、刺激が強い記憶や何度も使う記憶は、海馬から大脳皮質という場所に移されます。大脳皮質も脳の器官の1つです。
大脳皮質では記憶は長期間保存されます。これがいわば「覚えている」という状態です。

認知症の人は、海馬の神経細胞が死滅していることが多いのです。そのためインパクトがあったり重要だったりする記憶でも大脳皮質に送られず、すぐに消えてしまうのです。

噛むことと脳の関係

噛むことと脳の関係

脳と記憶のメカニズムをご理解いただいたところで、今度は噛むことと脳の関係について見てみましょう。

ある研究者が、歯を削ってわざと噛めなくしたマウスと正常のマウスを比較したところ、わずか1週間で歯を削ったマウスの海馬の神経細胞が30%も多く死滅していたのです。
このことから、
●噛まないと海馬の働きが衰える
ということが分かったのです。

このことと、先ほど見た脳と記憶のメカニズムと合わせると、次のことがいえるのです。
●噛まなくなると海馬の働きが弱り、その結果記憶が大脳皮質に行かなくなり、記憶障害が起きる

そのため「よく噛むことが高齢者の認知症予防に繋がる」といえるのです。

高齢者ほど噛むことの効果が出やすい

脳と噛むことの関係の研究で有名な医学博士の小野塚實さんが、ガムを使った実験をしました。
65歳から76歳の男女36人に2分間ガムを噛んでもらったところ、海馬が活性化することが分かりました。

小野塚さんはこんな実験も行いました。
20代、60代、70代の人にガムを32秒噛み32秒休むという行為を4回繰り返してもらったところ、全員の脳が活性化したのですが、70代の人の脳が最も活性化したのです。

このことから次のことが言えます。
●噛むことは脳を活性化させる
●高齢になるほど噛むことによる脳の活性化の効果が高くなる

認知症は65歳以下の人でも発症しますが、やはり多いのはお年寄りです。
高齢になってからでも積極的に歯を使うことで、認知症を予防できるというわけです。

製薬メーカーも注目している

製薬メーカーも注目している

製薬メーカーの大和薬品も「よく噛んで脳を活性化させましょう」と呼び掛けています。
その大和薬品によると、「噛む」「食べる」という行為を繰り返すと、脳内の血流が増え、神経が活発になるということです。これは口を動かすことが脳を活性化させているためです。

脳の中で、情報の統合や判断、感情、行動をコントロールしている場所は前頭前野といいます。
文章を音読したり計算をすると前頭前野が活性化されることはよく知られていますが、噛むことでも同じ効果があるというわけです。
噛むことは認知症だけでなくうつ病の治療にも役に立つそうです。

よく噛んで楽しく食事をして認知症予防をしましょう

噛むという行為は食べるときに行います。
高齢になると体力的にも活動が制限されるため、楽しみが減ってしまいます。
そのため「食べることが何よりの楽しみ」と言うお年寄りは少なくありません。

よく噛んでいるお年寄りはよく食べていることになり、それは栄養をたくさん摂っているうえに、しかも楽しんでいるということです。
楽しむことも脳を刺激するので、認知症予防につながります。
楽しい食事をよく噛んで味わってください。

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